ハナミズキ:花水木(ぎゅっと詰まった春)
愛用のデジカメの故障や頼まれごとなどもあってすっかりご無沙汰してしまいました。 厳しい寒さで、例年なら正月には咲いているフサザキスイセンも、今年はまだ花茎がようやく立ち上がってきたというところです。 庭のハナミズキ:花水木・アメリカヤマボウシ(ミズキ科ミズキ属)の蕾も固く寒風に震えています。 失礼してその一つを割ってみました。...
View Articleハクウンボク:白雲木(一皮脱いでも毛皮で守る)
初夏白い花が多数穂になってつく姿を白雲に見立ててこの名があるハクウンボク:白雲木(エゴノキ科エゴノキ属)の冬芽がふくらんでいます。 一般に冬芽は多数の芽鱗で保護されるのが普通ですが、この木ははじめその役割を葉柄の基部にゆだねています。葉柄内芽といわれるこの形は、ウリノキ、スズカケノキ、ニセアカシア、ユリノキなどでもみられます。...
View Articleトベラ:扉(おなじ仮種皮でも被子植物、裸子植物で異なる立場)
枝に悪臭があり、魔よけとして正月や節分に門口の扉に結わえるというトベラ:扉?(トベラ科トベラ属)の枝先に何やら変わった形のものが残っています。 トベラの果実は、晩秋から初冬にかけて熟すと仮種皮といわれる部分が3裂し、中の種子は種皮が赤くなり、粘液に覆われます。(05年12月30日記事)今の姿は仮種皮が開き切った姿です。...
View Articleナツヅタ:夏蔦(吸盤模様)
夏、一面ナツヅタ:夏蔦(ブドウ科ツタ属)の緑の葉に覆われていた万博旧鉄鋼館の壁は、すっかり落葉した蔓だけが残りコンクリートが露わになっています。 近づいてみると壁に張り付いている吸盤が何かデザインのような模様になっていました。 ナツヅタは、葉に対生してでる巻きひげに吸盤があり、これでいろいろなものにはいのぼります。...
View Articleユズリハ:譲葉(引き際が近い)2月6日
春になって新しい葉が成長すると、いっせいに古い葉が譲って落ちることから、代々譲ってゆくのでめでたいとして葉を新年の飾り物にするユズリハ:譲葉(ユズリハ科ユズリハ属)が、赤い冬芽を膨らませています。 頂上に大きい葉芽、その下の各々の葉脇に小さく丸い花芽がついています。よく見るとなかなかユニークな冬芽です。 常緑高木または低木で、葉は互生、雌雄別株で花序は総状、花弁はなくときに萼も退化しています。...
View Articleコウヤボウキ:高野箒(高野山より古い箒の材料)
山道をあるいているとコウヤボウキ:高野箒(キク科コウヤボウキ属)の果実がまだ風に飛ばされずに残っていました。 コウヤボウキ:高野箒)は、山中の雑木林などの半日陰に普通にはえる草本状の落葉小低木で、やや木質の草本とする扱いもされています。...
View Articleコーヒーノキ:コーヒーの木(利用されない甘い果実)2月18日
植物園の温室にコーヒーノキ:コーヒーの木が赤い実を熟していました。 アカネ科コーヒーノキ属の属する植物の総称で、主に栽培種のアラビカコーヒーノキとロブスタコーヒーノキなどを指し、また多数の野生種がアフリカ大陸西部〜中部からマダガスカル島と周辺諸島にかけて分布しています。 光沢を帯びた葉の常緑で、ジャスミンに似た香りの白い花を咲かせ、コーヒーチェリ―と呼ばれる鮮やかな赤〜紫または黄色の実をつけます。...
View Articleネジキ:捻木(美芽はマッスでも)
木々の芽が動き始めた早春の雲仙温泉、白い湯けむりが噴き出す雲仙地獄周辺は厳しい環境のせいか、生育するおおくが中低木で樹種も限られているようでした。 中でも目立ったのは赤い冬芽を膨らましたネジキ:捻木(ツツジ科ネジキ属)です。 ネジキの冬芽は、赤色の一年枝につき、卵形で長さ5〜7mm、牙鱗は2枚向き合い、枝と同様に光沢ある赤色です。葉痕は2列互生して半円形、維管束痕は1個です。...
View Articleハクサンボク:白山木(白山ではなく海岸に多い)
佐世保、九十九島を見渡せる海岸沿いの灌木のあいだに、につややかな常緑の葉で花芽が開き始めた木を見かけました。 庭木によく植えられているハクサンボク:白山木(スイカズラ科ガマズミ属)のようです。庭木としてはおなじみですが、自生のこの木を見るのは初めてです。 石川県のハクサンに産すると誤認してこの名があるといますが、図鑑によると沿岸地の海岸林に多いとあり、納得できました。
View Articleヤマコウバシ:山香ばし(霊験あらたか新手の合格祈願)
先月26日の夕刻、「おじいちゃんからもらった“葉っぱ”の効き目があったらしい」と孫娘からの電話。 高校入試で第一志望の難関校に合格したとの嬉しい報せでした。 その葉っぱとは、山で採ってきたヤマコウバシ:山香ばし(クスノキ科クロモジ属)の枯れ葉を合格祈願のお守りとして二人の孫娘に渡しておいたものでした。...
View Articleゴマギ:胡麻木(香る冬芽)
なぜか冬期の通りかかることがおおい山道で、対生で立派な冬芽をもつ木が気になっていました。 偶々最近同じ道を夏通ることがあり、その木はゴマギ:胡麻木(ガマズミ科スイカズラ属)であることがわかりました。...
View Articleホトケノザ:仏の座(省資源で効率追求)
道端のあちこちにホトケノザ:仏の座(シソ科オドリコソウ属)が咲いています。 対生する葉を蓮座に見立ててこの名があり、葉が段々につくので三階草という別名があります。 どこにでも見られる高さ10〜30?の2年草で、葉は対生し長さ1〜2cmの扇状円形で鈍い鋸歯があります。上部の葉脇に長さ約2cmの紅紫色の唇形花をつけます。 面白いのは、蕾のまま結実する閉鎖花をたくさんつけることです。...
View Articleツゲ:黄楊(イヌは多いが)
奈良高取城への道すがら、この季節にしては珍しく小さい花をつけた中低木がありました。 始めてお目にかかる木ではないかと、少々高い土手をよじ登って近くで見ると、小さく丸く光沢のある葉は対生です。 すぐツゲ:黄楊(ツゲ科ツゲ属)とわかりました。イヌツゲ(モチノキ科)はどこででも見られますが本ツゲともいわれるツゲを見るのは初めてです。...
View Articleヒサカキ:姫榊(複雑な雌雄関係)
早春の山道を歩いていると、どこからか少し嫌な感じの強い香気が流れてきます。 ヒサカキ(ツバキ科ヒサカキ属)は、やや乾いた山地の林内に生える常緑小高木で、その匂いから都市ガスを連想させて、“大阪瓦斯の木”などという人もいます。...
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垂れ下がったツノハシバミ:角榛(カバノキ科ハシバミ属)の雄花序の上のほうに、真っ赤なものが見えます。ツノハシバミの雌花序は芽鱗に包まれたまま開花するので、赤い柱頭だけが芽鱗から顔をのぞかせるのです。 各地の山内に生える落葉低木で、ふつう高さは2〜4mで株立ち状になります。秋につける堅果の果苞は長さ3~7cmで先が嘴状になるのでこの名があります。...
View Articleサルトリイバラ:猿捕茨(巻きひげはどこから?)
サルトリイバラ:猿捕茨(ユリ科シオデ属)が、赤みを帯びたあさい黄色の新芽を出し、早くも膨らみかけた花序が見えています。 鋭いトゲに猿が引っかかるということでこの名がありますが、トゲだけではなく、葉柄の巻きひげでも他物にまきついて蔓をのばします。そしてこのトゲは表皮が変化したものとされていまが、つるは写真で明らかなように、托葉が変化したものとされています。...
View Articleモクマオウ:(松の葉に見えるのは枝)
大阪市立大学植物園にあるモクマオウ(モクマオウ科)が、実をつけています。 モクマオウ属はオーストラリアを中心に東南アジア、ポリネシアなどに多くの品種が知られ、ここのモクマオウはカニンガムモクマオウといわれるものだそうです。 外観がマツに似ているためオガサハラマツの名もありますが、マツとは全く縁遠い植物で、葉のように見えるのは実は枝で、トクサのような節があり、葉状枝と呼ばれるものです。...
View Articleシイモチ:椎黐(シイの葉に似る)
植物園で見たシイモチ:椎黐(モチノキ科モチノキ属)です。葉脇のごく短い短枝に小さい蕾が固まってついています。雌雄別株で花は黄緑色、果実は直径約6?の赤色に熟すそうです。 本州(山口)、四国(愛媛)、九州などに分布する常緑の小高木で、珍しい樹木に入るといいます。 シイモチの名は、葉がスダジイの葉に似てモチノキの仲間ということで至極わかりやすい名であり、見ればその通りです。
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