サルトリイバラ:猿捕茨(ユリ科シオデ属)が、赤みを帯びたあさい黄色の新芽を出し、早くも膨らみかけた花序が見えています。
鋭いトゲに猿が引っかかるということでこの名がありますが、トゲだけではなく、葉柄の巻きひげでも他物にまきついて蔓をのばします。そしてこのトゲは表皮が変化したものとされていまが、つるは写真で明らかなように、托葉が変化したものとされています。
サルトリイバラはサンキライ:山帰来と呼ばれることがあります。中国で、病(梅毒説もある)に罹った人が山に入り、この根を食べて元気になって帰って来たという話からきているそうですが、牧野博士によると中国の山帰来はトゲがないので、日本のサルトリイバラをサンキライと呼ぶのは誤りとしています。
関西から西の方では、柏餅のカシワの代わりに、丸くて滑らかな表面をもつサルトリイバラの葉2枚でお餅をはさんで蒸しあげます。ほのかな香りがあって、カシワの葉よりも優れていると思いますが、どういうわけか田舎ではサルトリイバラで包んだ餅も柏餅といっていました。
ガンタチイバラ、カカラなどの別名があります。