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Channel: 新・むかごの日記
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ヤマコウバシ:山香ばし(霊験あらたか新手の合格祈願)

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先月26日の夕刻、「おじいちゃんからもらった“葉っぱ”の効き目があったらしい」と孫娘からの電話。
高校入試で第一志望の難関校に合格したとの嬉しい報せでした。
その葉っぱとは、山で採ってきたヤマコウバシ:山香ばし(クスノキ科クロモジ属)の枯れ葉を合格祈願のお守りとして二人の孫娘に渡しておいたものでした。
葉は枯れても枝に残り翌年の春まで落ちないところから、”落ちない“で、最近合格祈願のお守りとして人気が出ているという話からのことでした。3日後東京の孫娘からも同じ電話。ヤマコウバシの落ちない祈願は霊験あらたかでした。
確かに今の時季山を歩くと、落葉した雑木の中で、枯れ葉が枝に残っているヤマコウバシの姿がよく目立っています。
通常落葉樹では秋になると葉柄基部にできた離層で、細胞壁の成分を溶かすセルラーゼ、ペクチナーゼなどと呼ぶ酵素が作られ、そのはたらきで細胞壁が溶けて弱くなると、維管束の木部も切れてしまい、根からの水分補給もなくなって落葉に至ります。
ところが、ヤマコウバシなど一部の木は離層が完全には作られないため、長く枯れ葉が残ると考えられています。
これらの植物は本来常緑性だったもので、その性質をこのような形で保ち続けたまま温帯域まで分布を広げたと説明されたりします。
ちなみに、枯れ葉を枝から離して、基部の断面をみると、ふつう離層ができた葉の基部は緑色を失いますが、3月というのにヤマコウバシのそれは、緑を保ったままでした。

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