参詣客でにぎわう駒ケ根市光前寺の参道の石垣の間に珍しいヒカリゴケ:光苔(ヒカリゴケ科ヒカリゴケ属がありました。1科1属1種の原始的で、かつ貴重なコケ植物だそうです。その名が示すように洞窟のような暗所で金緑色(エメラルド色)に光ります。
北半球に分布し、日本では北海道と本州の中部地方以北の冷涼な地域に広く分布し、洞窟や岩陰、倒木の陰などの暗く湿った環境を好みます。日本の自生地としては、この光前寺のほか、北海道のマッカウス洞窟、群馬県嬬恋村の浅間山溶岩、埼玉県の吉見百穴、東京都の北の丸公園などが知られています。
光反射の仕組みとしては、自力で発光しているのではなく、原糸体にレンズ状細胞が暗所に入ってくる僅かな光を反射することによるとされており、またレンズ状細胞には葉緑体が多量にあるため反射光は金緑色(エメラルド色)になるといいます。
フラッシュはもちろん駄目、自分の影をつくらず、外から入るわずかな光の角度も考えながら、その上、多くの参詣客が交代で覗き込む合間を縫って、参道の石垣の奥のヒカリゴケを撮るのは、相当難しく、かすかにそれとわかる程度に撮るのがやっとでした。