クリスマスが近づくと花屋の店頭を鮮やかな赤色(白、桃色も)で彩るのがショウジョウボク:猩猩木(ポインセチア)(トウダイグサ科トウダイグサ属)です。
枝の頂端に壺状をした黄緑色で目立たない花を10個前後総状につけますが、これには観賞価値はなく、その下の苞葉が鮮やかな紅色に着色し、濃い緑色した下方の葉との対比が非常に美しいので愛好されています。この赤い小総苞を顔の赤い猩猩に見立て猩猩木の名がありますが、最近はもっぱらポインセチアで通っています。メキシコ原産の落葉低木で、観賞用に温室で栽培され、多くはクリスマスに合わせるために短日処理されます。
観賞価値のないという花ですが、よく見ると面白い形をしています。
壺形の先につき出ているのは雌蕊と雄蕊で、その1本ずつがポインセチアの花にあたり、となりにあるカエルの口のようなものは腺体で蜜を分泌します。雄蕊、雌蕊が一つの蜜腺を共有するという特殊な構造になっているというのです。
蜜で光っている腺体をとって吸ってみると、甘い蜜が思いがけないほどたっぷり出てきました。