先日NHKの自然番組で野付半島の湾内のアマモ:甘藻(ヒルムシロ科アマモ属)が紹介されていました。
平均水深1~2mという遠浅の野付湾の約70%がアマモの森で占められていて、名物のホッカイシマエビのゆりかごとして、またゴマフアザラシの夏の休息地として、あるいはオオハクチョウやコクガンなどの秋の渡りの中継地点として、さまざまな生物が野付湾やそこに生えるアマモを利用しているといいます
アマモは、日本各地に分布し、海中の1~6mの深さに沈んで泥土の中に生える多年草で、根茎は横にはい、葉は緑色、線状で先端は海面に達します。冬に枝をだし、花は初夏、雌雄が交互に2列に並び、花被はなく裸出します。
和名は根茎に甘みがあり食べられるところからきていますが、別名の一つリュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ(竜宮の乙姫の元結の切り外し)は最も長い植物名として知られています。
もう一つの別名はモシオグサ(藻塩草)で、古くはこれを海辺に積み海水を注いでから乾燥して焼き
その灰から塩を製したところからきています。
来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに
焼くや 藻塩(もしほ)の 身もこがれつつ 藤原定家
の藻塩もアマモだったかもしれません。
ウミヤナギ、アジモ、オオバモなどの別名もあります。
(寫眞は須磨海浜水族園でのものです)。