12月3日、5日とヤドリギの仲間を取り上げましたが、普通の寄生木は高い木に多くて遠くからの写真しかありませんでした(08年3月2日記事)。そのヤドリギ:寄生木(ヤドリギ科ヤドリギ属)が、あるところにクリスマスの縁起物として飾られていました。
古代イギリスの伝説風習にKissing Under The Mistletoeというのがあって、Xmasの寄生木の飾りの下では、女性は誰にでも遠慮なしにキスすることが許されるというのです。ルーツは北欧神話にあって、古代ヨーロッパでは、落葉した木に青々と茂り寄生木を春の精と考え、木の精が宿るとし、太陽復活の儀式植物になっていたそうです。そんなことから寄生木とその宿主を聖なるものと崇めていて、これがキリスト教に融合したものとされています。
寄生木を目出度いものとみるのは西洋でだけではなく、万葉集でもこのように歌われています。
天平勝宝二年正月二日に、国庁にして饗を諸の郡司等に給ふ宴の歌一首
“あしひきの 山の木末(こぬれ)の 寄生(ほよ)取りて
挿頭(かざし)つらくは 千年(ちとせ)寿(ほ)くとそ“ 大伴家持 巻8−4136