栂池高原を歩いて、展望湿原への登りにかかる手前に銀明水といわれる水場があります。
周遊ルートを少し外れた水場でのどを潤していると、流れの上方の岩場ににクロクモソウ:黒雲草(ユキノシタ科ユキノシタ属)が見えました。
本州中部地方以北と大峰山系、四国の亜高山帯~高山帯の渓流に沿った湿った岩場や草地に生える多年草で、高さは10~30cm、葉はすべて根生し、長さ1.5~6cm、幅2~8cmの腎円形で、縁には大きな卵形の鋸歯があります。このことからキクブキという別名があります。
ユキノシタ属には珍しい黒っぽい花は、7~8月花茎の上部に直径6~8?の小さな花を円錐状に多数つけます。花弁は黒褐色で5個あり、花盤は暗紫色でよく発達し環状に隆起し雌蕊を取り囲みます。雄蕊10個は花盤の縁につき長さ約1mmで花弁より短くなります。
和名黒雲草は花の色からで、生えている場所からイワブキという別名もあります。(8つき31日撮影)