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Channel: 新・むかごの日記
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コウホネ:河骨(名前の由来)

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冬の間水を干している公園の水生植物園に、コウホネ:河骨(スイレン科コウホネ属)の根っこが露出していました。
和名は、この横に這う太くて白い地下茎の形が白骨のように見えることからきています。
浅い沼地に生える多年草で、黄色のお椀状の花が涼やかで観賞用にも栽培されます。
干上がった園地で奇妙な形の根を見て、図らずも名前の由来に納得していました。

コオニタビラコ・小鬼田平子(さまよえる名前)

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近所の田んぼに珍しくコオニタビラコ・小鬼田平子(キク科ヤブタビラコ属)が一面に生えていました。
春の七草の“ほとけのざ”はこのコオニタビラとされています。これにはこの草にとって少しかわいそうな名前の変遷があるようです。
今は通用しない古い名前が多い春の七草ですが、なかでも混乱しているのがこの“ほとけのざ”です。古い文献では七草の中にホトケノザとタビラコが両名並ぶのもあり(連歌至宝抄」)、両者は別種とされることもあったようですが、七草のホトケノザを牧野富太郎がコオニタビラコと同定してからは、いまではこれが広く受け入れられています。
コオニタビラコ:小鬼田平子となった旧ホトケノザは、水田に多い2年草で、田起し前の水田に放射状に平たく葉を広げる様子から田平子と名がつきましたが、ムラサキ科のキュウリグサも別名でタビラコと呼ばれることからこれと区別するため、よく似たオニタビラコの小形ということでコオニタビラコが正式の名になったといわれています。加えて、昔はサンガイクサ(三階草・三蓋草)といわれたシソ科の植物がホトケノザという名を得て、道端に多量に繁茂するようになってからは、七草の“ほとけのざ”は名前としては全く忘れられることになり、せっかく“ほとけのざ”という立派な名を持ちながら、他人に名を盗られただけではなく、オニの名までつくという悲しい運命をたどることになりました。その“ほとけのざ”は、いまでは田んぼで見かけることも少なくなって、草そのものも忘れられようとしています。

ヒメナズナ:姫薺(よく見れば4弁花) 

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伊吹山登山口の駐車場付近の広場にヒメナズナ:姫薺(アブラナ科)が一面に生えてました。
よく見ないと見落としそうな小さな草でしたが、ロゼット葉、8弁に見える花、それに楕円形の果実までつけています。
ヨーロッパ原産で、北アメリカやオーストラリアにも帰化しているロゼット状の越年生の草本で、楔形の根生葉は全円または粗い鋸歯があり、小さい毛があります。
早春に直立する花茎を伸ばし、先端に長い花序を出して直径3?ほどの白色の4弁花を穂状につけます。
花弁の先はハコベのように切れ込み、8弁のように見えます。
芝生の種子などに混入して渡来したものとおもわれ、札幌で初出したとか、1900年ごろ東京の上野公園で見出されたとかの話がありますが、今では各地に広がっているようです。

イヌノフグリ:犬の陰嚢 (さすが本家はリアル)

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伊吹山の登山口付近でイヌノフグリ:犬の陰嚢(ゴマノハグサ科クワガタソウ属)に初めて出逢いました。本来日本のどこでも見られたというイヌノフグリですが、最近はもっぱら外来のオオイヌノフグリ、タチイヌノフグリや、明治以前の渡来植物であるフラサバソウなどに押されて、今では山間部に行かないと見られないほどの珍しい植物になっています。
道端や石垣の間などに見られる2年草で、茎は下部で分枝し、葉は茎の下部で対生、上部では互生します。上部の葉脇から長さ約1?の花柄を出して、淡紅白色に紅紫色の筋のある小さな花を1個つけます。
果実は?果で、長さ約3?、幅4〜5?でやや膨らみ、2個の珠をくっつけたたような形が、犬の陰嚢(ふぐり)に似ているということでこの名があります。
今ではすっかりおなじみになった仲間のオオイヌノフグリは、小さくてもきれいな花で人気がありますが、最近では相当年配の方でも“ふぐり“知らない人が多くて、ときどき植物観察で、妙齢の婦人に意味を訊ねられて当惑したという話をよく聞きます。オオイヌノフグリもタチイヌノフグリも、果実はそれほどは似ていないといえますが、さすが本家のイヌノフグリの果実は名のとおりのリアルさでした。

イヌナズナ:犬薺  (本当に役立たず?)

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花見に行った伊那谷の道端のあちこちに、タネツケバナにまじって、よく似ているが、関西ではあまり見かけない黄色い花をつけた草を見かけました。
案内をいただいた、大阪からIターンして、伊那に住まわれているという自然に詳しい方から、イヌナズナ:犬薺(アブラナ科イヌナズナ属)と教わりました。
アブラナ科の二年草で、茎は直立または根際から分枝し、高さ10〜30センチメートル、全株に星状毛があります。根出葉はナズナのように切れ込まず、へら状楕円形で長さ2〜4?、幅8〜15?、茎葉は長さ1〜3cmで、茎や葉に星状毛が密生します。道路端などに生育する個体では花茎は分岐せず1本立ちとなり、まばらな総状花序に黄色の4弁花をつけます。
果実は三角状のナズナと違い、扁平な線状楕円形になります。
イヌナズナのイヌはナズナに似て食用にならないという意味でしょうが、若苗を食用にし、種子が漢方薬になるという話もあります。
黄花のイヌナズナにたいして、花が白いところから名がついたシロバナイヌナズナがあり、こちらのほうは植物の遺伝子研究などで注目されています。(11年4月22日記事)
黄花のイヌナズナがイヌナズナ属で、シロバナイヌナズナはハタザオ属なので、両者は色の違いだけではなのかもしれません。

ミツバツツジ:三葉躑躅(地方名無しの本家?ミツバツツジ)

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遅い春の伊那谷に桜にまじって咲いていたのがミツバツツジ:三葉躑躅(ツツジ科ツツジ属)でした。
このミツバツツジの仲間は、外見はみな同じように見えるので、ツツジ科のなかでも最も分類が難しいとされ、分布、腺点、毛の有無など細かい点で見分ける必要があるといいます。
関西地方でよく見かけるのがコバノミツバツツジですが、ほかにもユキグニ、トウゴク、サイコク、トサノ、アワノ、ハヤト、ヒュウガなど分布の地名を冠した数多くの品種があります。
伊那谷在住の森林インストラクターに教わったこの本家?ミツバツツジは、知名度は高いのですが、意外に分布域は狭く、関東地方から近畿地方にかけての太平洋側の狭い範囲にだけ自生しているそうです。
身近なコバノミツバツツジとの差異ははっきりとは区別できませんでしたが、全体に花がコバノにくらべて大振りのようにみえました。

オノエヤナギ:尾上柳(駒ケ根の川岸で) 

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春まだきの駒ケ根高原大田切川の遊歩道を歩いていますと、あたりはまだ冬樹の姿の中で、何本か、ひときわ目立つ薄黄色い花をつけた木がありました。花は花でも柳の雄蕊穂のようです。
案内していただいた地元の森林インストラクターのかたの話では、遠くて確かなことはわからないがオノエヤナギ:尾上柳(ヤナギ科ヤナギ属)ではないかということでした。
オノエヤナギは、牧野富太郎が四国の山中で採取し、尾の上(山の上)に生えるという意味で名付けたというわりには四国には少なく、中部地方以北の山地の水辺によく見られます。
高さは5〜10mになり、葉は互生し、長さ10〜16?、幅1〜2cmの披針形で、先は細長くとがり、ふちには波状の目立たない鋸歯があります。
雌雄別株で3〜5月、雄花の穂は長さ2〜4?の円柱形、雄蕊の葯は黄色、雌花の穂は淡緑色を呈します。
カラフトヤナギ、ナガバヤナギなどの別名があります。

カスミザクラ:霞桜(霞んではいない)

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能勢妙見山のケーブルを上がったところに、いろいろな山の桜が今満開です。
なかにも一帯に群生するエドヒガンは「黒川字奥瀧谷のエドヒガン群落」として川西市指定文化財(天然記念物にしてされている旨の教育委員会の看板がありました。
ヤマザクラやエドヒガンにまじって、白い花をつけている立派な桜があります。幹にはカスミザクラ:霞桜(バラ科サクラ属)の札がかかっていました。
ヤマザクラより標高の高いところに生えて、花期も1〜2週間おそいというカスミザクラですが、どういうわけかここではヤマザクラやエドヒガンと同時に咲いています。ケヤマザクラという別名もあるくらいで葉柄や花柄に毛のあるものが多いというのですが、毛もそれほどはっきりしていません。
自家不和合性で雑種ができやすいサクラなので、いろいろ混ざった交雑種かもしれません。
教育委員会お墨付きの札がついた、この“カスミザクラ”は、枝いっぱいに白い花をつけて堂々たる姿で立っています。下手な疑念を吹っ飛ばす力がありました。

トウダイグサ:燈台草(燈台とは昔の灯明台)

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トウダイグサ:燈台草(トウダイグサ科トウダイグサ属)は、日当たりのよい道端や、畑、土手などに生える2年草で、トウダイグサの名は、全体の姿がむかし明かりをともすのにつかった燈台(灯架)に似ていることからきています。
高さは10〜30?になり、茎や葉を切ると白い乳液をだし、有毒植物です。
3〜5月、茎の先に放射状の枝を出し、黄緑色の総苞葉の中心に小さなつぼ型の花序をつけ、総苞内に雌花1個と雄花数個があります。
トウダイグサ属の仲間は、双子葉類に珍しく子房が3室あり、杯状花序といわれる珍しい花序と共にユニークな植物といえます。。

キシダマムシグサ:岸田蝮草(おなじムロウでも違う品種)

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熊野古道紀州路の広川町から御坊道成寺までの路端で、あちこちで葉に斑が入ったマムシグサを見かけました。マムシグサは地方によって変種が多く、いろいろ名前がついた品種があると聞いていましたので、和歌山とマムシグサをキーにネット検索したら、キシダマムシグサ:岸田蝮草(サトイモ科テンナンショウ属)というのが出てきました。
愛知県と近畿地方に分布し、低山地の樹林下や林縁に生え、葉は1〜2個で、5〜7個の小葉からなり、小葉は倒卵形〜長楕円形で、長さ6〜25?、先は鋭尖頭で、全縁または鋸歯があり、中脈に祖って白斑が入ることが多い。仏炎苞は汚紫褐色で、時に紫斑をつけ、長さ14〜25cm、舷部の先は細くなって糸状に伸び、筒部の2倍以上に長さになる。とありました。
寫眞でみると、葉が斑入りであることと、仏炎苞の先が細長く延びることがキシダマムシグサに一致します。
別名にムロウマムシグサがありますが、よく似た名前にムロウテンナンショウがあり、両者は違う品種なので間違わないようする必要があります。

ヒカリゴケ:光苔(石垣の奥にかすかに光る)

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参詣客でにぎわう駒ケ根市光前寺の参道の石垣の間に珍しいヒカリゴケ:光苔(ヒカリゴケ科ヒカリゴケ属がありました。1科1属1種の原始的で、かつ貴重なコケ植物だそうです。その名が示すように洞窟のような暗所で金緑色(エメラルド色)に光ります。
北半球に分布し、日本では北海道と本州の中部地方以北の冷涼な地域に広く分布し、洞窟や岩陰、倒木の陰などの暗く湿った環境を好みます。日本の自生地としては、この光前寺のほか、北海道のマッカウス洞窟、群馬県嬬恋村の浅間山溶岩、埼玉県の吉見百穴、東京都の北の丸公園などが知られています。
光反射の仕組みとしては、自力で発光しているのではなく、原糸体にレンズ状細胞が暗所に入ってくる僅かな光を反射することによるとされており、またレンズ状細胞には葉緑体が多量にあるため反射光は金緑色(エメラルド色)になるといいます。
フラッシュはもちろん駄目、自分の影をつくらず、外から入るわずかな光の角度も考えながら、その上、多くの参詣客が交代で覗き込む合間を縫って、参道の石垣の奥のヒカリゴケを撮るのは、相当難しく、かすかにそれとわかる程度に撮るのがやっとでした。

ツリガネカズラ:釣鐘葛(カレーの匂いの) 

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観察仲間と河川敷公園を歩いていて、帰り際カレーを食べに行こうというので、不審に思いながらついてゆくと、橙黄色の花をつけたつる植物のところへ連れてゆかれました。
どうやら高速道路の壁面などによく這い上がっている植物のようです。
アメリカ中南部原産のノウゼンカズラ科の蔓性低木で、 壁面緑化などの園芸用として栽培されています。茎で巻きつくだけではなく、巻きひげに吸盤を持っているため、巻き付くことができないような壁面にも這い上がることができます。葉は常緑性で対生する三出複葉で、頂小葉は巻きひげに変化しているため、小葉は二枚しかないように見えます。
4〜5月、葉脇に集散花序をつけ、鐘状漏斗形で、花を多数開花します。花色は黄橙色で内側が褐色を帯びます。
花に独特の匂いがあり、日本ではこの匂いと花の色からカレーを連想して、カレーバインとかカレーカズラなどと呼ばれているそうです。
そういわれればカレーの匂いがするようですが、長く嗅いでいたい香りでもなさそうです。モカの匂いがするという人もいるそうですが、これまた本当のモカに怒られそうです。

オランダフウロ:和蘭風露(林立する尖塔)

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空き地にたくさんのオランダフウロ:和蘭風露(フウロソウ科フウロソウ属)が咲いていました。
ヨーロロッパ、南北アメリカ、中近東、ヨーロッパ、アジアなどに広く分布する越年生草本です。江戸時代末期の嘉永年間に観賞用に輸入されたといい、今では全国各地の道端や畑の周辺に散発的に見られます。
全体に白毛があり、茎は基部で分岐して横にひろがり、対生する葉は羽状複葉で、小葉は細かく裂けます。春、葉脇に長い花序を出し、直径5?ほどの淡紅色の5弁花を数個散生します。
面白いのは、長さ3〜5cmの嘴状の果実です。さながらヨーロッパなどでよくみられる、林立する尖塔のようです。

オキナグサ:翁草(白髪の老翁) 

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以前はあぜ道などでよく見られたが、最近は激減して滅多にお目にかかれないというオキナグサ:翁草(キンポウゲ科オキナグサ属)(06年4月24日記事参照)
の、名前の由来という老翁の白髪のような、果期のオキナグサを見たのも、やはりある薬科大学の薬草園でした。
山野の日当たりのよい草地などに生える多年草で、花の頃は高さ10cmほど、花後に30cmくらいになります。全体に白い毛でおおわれていて、根元の葉は2回羽状複葉、茎につく葉は線状に切れ込んでいます。4~5月長さ3cmほどの花をつけますが、花弁はなく、暗赤紫色の6個の萼片が花びらに見えます。
花のあと、花茎は高さ30?くらいにのびて、羽毛の塊のような果実を密生してつけます。
寫眞は、頭のてっぺんが禿げたものの、周囲の白髪がきれいに長く伸びている、品ある老爺と見えていました。
(連休中ごろより体の不調がつづき、このブログもながらく投稿を中断していましたが、少しは気力も回復してきましたので、無理をしない程度に再開したいと思っています。
ご心配いただいた皆様方、ありがとうございました)

ツルウメモドキ:蔓梅擬(果実は目立つが)

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ツルウメモドキ:蔓梅擬(ニシキギ科ツルウメモドキ属)の花が咲いています。
南千島から日本全土、朝鮮、中国の山野に分布するつる性の落葉高木で、茎は左巻きで長く延び、他物に絡みつき相当高いところまで上ります。
雌雄異株で、5〜6月緑色の花をつけます。花は5数性で、花盤が発達し、雄しべは花盤上につき、雌しべは1個で花柱は3裂し、宿存します。(写真は雌花)
花は地味で目立ちませんが、秋、径7mmほどのさく果となり、黄色く熟し、果皮が割れると赤い仮種皮包まれた種子がのぞきます。(05年12月20日記事)黄色と赤橙色の取り合わせが美しく、長持ちするので、盆栽、生け花、クリスマスのリースなどに人気があります。実がついた野生の枝が結構高値で売られることも珍しくありません。

カワジシャ:川萵苣(2文字で異なる希少種と有害種)

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滋賀県安土の側溝でカワジシャ:川萵苣(ゴマノハグサ科クワガタソウ属)を見かけました。
外来の近縁種であるオオカワジシャはよく目にしますが、在来種のカワジシャを見るのは初めてでした。
川や溝のふち、たんぼのあぜなどに生える年草で、若葉がチシャに似ていて食用にされるのでこの名があります。
高さは10〜50?、茎や葉は無毛で柔らかく、対生する葉は長さ4〜8?の長楕円形で、ふちにやや尖った鋸歯があり、基部は茎を抱きます。
5〜6月淡紫色のすじがある白い小さな花が穂になって咲きます。
カワジシャは、RDBで準絶滅危惧種に指定してされていますが、反対に2文字違いのオオカワジシャは特定外来生物に指定されています。
よく見るオオカワジシャだけを見ているあいだは、カワジシャとの区別点が、前者は鋸歯が不明瞭であること、花が鮮やかな青紫色であること、花柄が曲がって斜上することだと聞いてはいても、いまひとつ理解できてなかったのですが、実際にカワジシャを見て、その違いがわかり、気分もスッキリでした。

カミツレ (大花園は自生) 

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万博公園花の丘のポピー畑のあとが、こぼれ種による自生のカミツレ(キク科シカギク属)で一面覆われています。近づくとハーブの香がただよっていました。
カモミールとも呼ばれるヨーロッパ原産の1年草で、あちらでは古くから薬用として利用されてきました。乾燥した頭花に熱湯を注いだお茶は、鎮静、発汗、解熱などに効果があります。
秋に種をまくと春に大きな株に育ち、葉は糸のように切れ込みます。5〜7月茎の先に、白色の舌状花、筒状花は黄色で丸く盛り上がります。
代表的なハーブというものの、これだけ繁茂したのを見ると、有り難さも薄れてきます。

ヤグラネギ:櫓葱(どこを食べる?) 

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近くにある薬科大学の薬草園見学の際、お土産としてもらったヤグラネギ:櫓葱(ユリ科ネギ属)の苗を、プランターに植えて見守りましたが、一向に櫓のような形にならないので、薬味にして食べてしまいました。
近くの畑の側を歩いていると、変わった形の葱があります。ヤグラネギとはこのことかとやっとわかりました。
ヤグラネギは、ネギの変種。晩春、茎を数十センチ伸ばして花を球状につけ、この花の幾つかが鱗茎に変わって子ネギとなって伸び、さらにその新芽を成長させるとその先頭に珠芽をつくり孫ネギができます。これが地上に倒れると根を出して繁殖します。
親子ネギ、二階ネギ 三階ネギなどの名もあるヤグラネギですが、ヤグラになる時期には茎は固くなって食用にならず、その脇芽として育つ新芽を食べるそうです。
長ネギより美味しいとか、不味いとか異なる評価があるそうですが、畑で見たヤグラネギは畝からはみ出て、そこいらじゅうに生えているといった風で、食用として重用されているようには見えませんでした。

オオカワジシャ:大川萵苣(根絶やし難しい特定外来植物)

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5月27日、いまではずいぶん珍しくなったカワジシャをとり上げました。
ところで、どこにでも見られる特定外来植物のオオカワジシャ(ゴマノハグサ科クワガタソウ属)をどう取り上げているのかと、過去ログを検索しましたが見当たりません。何回も写真を撮っているのに記事にしていないのは、どうやら、希少種のカワジシャをさておいて、オオカワジシャだけをとりあげる気持ちにならなかったようです。
そのオオカワジシャは、ヨーロッパ〜アジア北部が原産で、南北アメリカ、アフリカ、オーストラリアなどに分布します。一年〜多年生草本で、高さは0.3〜1m、湖、沼、河川の岸辺、水田、湿地に生育します。近縁の在来種であるカワヂシャとの形態的違いは、鋸歯が不明瞭でほとんど全縁であること、花が鮮やかな青紫色であること、花穂が曲がって斜上することなどで、5月27日の写真と見比べてみるとよくわかります。
高槻市の芥川が、オオカワジシャの発生源流で、下流に流れついて生態系を乱しているという話があり、地元のボランティアグループにより毎年駆除作業が行われて、ずいぶん少なくなっているようです。
この写真は、その芥川右岸の畔のトンボ池で撮ったものですが、しっかりと残っていました。

カジイチゴ:梶苺(葉は大きくても実はふつう) 

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カジイチゴ:梶苺(バラ科キイチゴ属)が、黄色い実をつけています。
本州関東から近畿までの太平洋岸や伊豆諸島など海岸地に生え、または人家の庭にも植栽される落葉低木で、高さ2mほどになります。
和名の梶苺は、葉の形がカジノキに似ていることからきているというのですが、木苺にしては葉が大きいにしても、葉の形や質感は、必ずしもカジノキの葉に似ているとは思えません。
若枝にとげがあり、葉柄、花序にある腺毛、軟毛も古くなるとなくなります。
花は晩春、径約3cmで、白い花を横向きに咲きます。
初夏に熟す黄色の果実は食べられますが、よそ様の庭のカジイチゴは味わうことができませんでした。
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