伊吹山に咲いていたウバユリ:姥百合(ユリ科ウバユリ属)です。花の咲くころには根元に葉(歯)がないにかけて姥という名がついてい
ますが、草原にすっくと立つ姿はユリほどの派手さはないにしても結構落ち着きのある美しさです。
山野の湿った草地や林の中に生える多年草で、地下に白い鱗茎があり、これが成熟して大きくなると太い茎がのびて花を咲かせます。そのころにはその鱗茎は消滅しそばに新しい鱗茎が生まれます。
茎は中空で、高さは60~100cm、葉は茎の下部に数個固まってつきます。単子葉植物としては珍しく脈は網状で、長い葉柄があります。
7~8月、茎の上部に長さ10cmほどの緑白色の花が数個横向きにつき、先はあまり開きません。花には芳香があり、鱗茎からは上質のでんぷんがとれるなど、ああウバユリかと片づけられるわりにはいいところも多く、名前で損をしているのがウバユリです。