セリ科は見分けの難しい植物ですが、伊吹山頂に見られるイブキトウキ:伊吹当帰、またはミヤマトウキ(セリ科シシウド属は、)は、全草にセロリかセリのような強い香りがあることでセリ科の中でも見分けやすいもののひとつといえます。
北海道南西部、本州中部地方以北に分布し、亜高山帯から高山帯の岩礫地や渓流沿いの岩上などに生育する多年草で、根はゴボウ状で太く、茎は高さ20~50?になります。
茎は多く枝を分け、互生する葉は2〜3回3出羽状複葉で縁には尖った鋸歯があり、葉柄の基部は膨らんで茎を抱きます。
花期は6-8月、枝先に複散形花序をつけ、白い5弁小花を多数つけます。
根は血液循環を高める作用があり、不妊症、生理不順、冷え症など婦人科系疾患の治療薬として知られており、薬用植物として栽培もされます。
その「当帰」の名前の由来はいくつか説がありますが、不妊で一時は実家に帰されお嫁さんが、この根を煎じて飲んだところ子宝に恵まれ、婚家に当(まさ)に帰るべくして帰ったことからきているという話がしられています。
生みたくても産めない女性が増えて、少子化の傾向に拍車がかかっている当今、もっと役立ててほしいのがこのトウキです。