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Channel: 新・むかごの日記
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ヨメナ:嫁菜(婿菜に勝る) 

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あまりにも身近にあるのでとっくに取り上げていると思っていたのに、まだだったのがヨメナ:嫁菜(キク科ヨメナ属)です。
田んぼの畔や土手などやや湿ったところにふつうにみられる多年草で、秋に咲く薄紫色の清楚な花が好まれて、一般には野菊の名で親しまれています。
ヨメナは万葉集では“うはぎ”として詠まれていて、「春日野に 煙立つ見ゆ 娘子らし 春野のうはぎ 摘みて煮らしも」(巻10−1879)とあるように、昔から早春にその若芽を摘んで食用していたことがわかります。
ヨメナの若芽を食べる山野草のなかでも芳香があり最も美味で、若芽をお浸し、油いため、汁の実や和え物、さらにはヨメナ飯などにします。
このように、食べてよし、姿も優しく美くしいところから嫁菜と名づけられたという説があります。
ヨメナは東海地方以西に分布するもので、関東や東北にあるものは、花の径がひとまわり小さいカントウヨメナといわれるもので、山菜として香りもヨメナに劣るといわれています。
ヨメナによく似たノコンギクとは、湿ったところに多い、葉はざらつかない、そう果に冠毛がほとんどないことなどで区別されます。
ヨメナに対してムコナとよばれるシラヤマギク(07年10月30日記事)の若芽も食用にされますが味は劣り、花も優美さに欠けます。

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