Quantcast
Channel: 新・むかごの日記
Viewing all articles
Browse latest Browse all 222

アオギリ:青桐・梧桐(芽吹きの予感) 

$
0
0
京都御苑閑院宮邸跡の庭アオギリ:青桐・梧桐(アオギリ科アオギリ属)の緑の1年枝の頂に立派な冬芽がふくらんでいました。
太い1年枝につく半球形の頂芽は、大きくて芽鱗は10〜16枚もあり、側芽は小さく半球形で、頂芽とおなじくチョコレート色でビロード状の毛が密生します。この大きい冬芽は枝先に集まってつく大きい葉を予感させます。
沖縄、中国、台湾、インドシナなど暖地に自生する高さ15mにもなる落葉高木で、大きい葉がキリ:桐に似て幹が青いのでアオギリの名がありますが、キリはゴマノハグサ科、アオギリはアオギリ科と両者は全く違う仲間です。
ところが漢字では本来アオギリは1字で「梧」、キリは「桐」ですが、梧桐と書いてもアオギリです。
「一葉落ちて天下の秋を知る」(淮南子・説山訓)は、アオギリのことですが、豊臣家の滅亡前夜を描いた坪内逍遥の戯曲「桐一葉」は、豊臣家の家紋のキリと、淮南子のアオギリを混同しているといえます。
とはいっても、キリとアオギリは姿かたちが似ているだけではなく、材が家具や楽器などに用いられることで共通しているので、同じ仲間と考えられてもおかしくはないといえます。
そういえば、子規門下の高弟であった河東秉五郎の俳号は“碧梧桐”、ここまでくればまぎれもなくアオギリです。
(アオギリの果実は2007年12月23日、花は2010年7月12日に取り上げています)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 222

Trending Articles