六甲高山植物園で見たキイジョウロウホトトギス:紀伊上臈杜鵑(ユリ科ホトトギス属)です。
昔から紀伊半島南端の古座川、那智山、熊野川渓谷の岸壁に自生していた熊野地方特有の多年草ですが、いまや希少種となり環境省レッドリストの絶滅危惧IB類(EN)の指定をうけています。
良く似たものに母種といえるジョウロウホトトギスがあり、区別は、葉っぱの基部の両方に耳があるものがキイキョウロウホトトギスで、片方だけに耳があるものがジョウロウホトギスといいます。ジョウロウホトトギスは、本州紀伊と四国山地の深山の崖に垂れ下がって生え、ときに観賞用として栽培されています。
いずれも葉は左右に2列に互生、長さ7〜13cm、夏に咲く花は長さ4cmくらい、鮮黄色で内面に紫褐色の斑点があります。
和名は紀伊に生え、花が上品で美しいので宮中に仕える女官、上臈の美しさにたとえたものです。