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Channel: 新・むかごの日記
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ウンヌケ:愛知県森林公園植物園の植物? 

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名古屋の北東部尾張旭市にある愛知県森林公園植物園へ行ってきました。
森林浴百選にも選ばれている自然林のなかに作られた植物園内には広大な芝生や、沈床花壇などが設けられてゆったりとした散歩を楽しめます。
園内にあるいくつかの湿地は貧栄養、酸性が特徴で、東海丘陵要素植物と呼ばれるこの地方固有の植物が多く生育しています。なかでも有名なのは、東海地方にだけ分布するシラタマホシクサ(ホシクサ科)で、その大群落は見事なものです。(10月8日むかごの高槻記事)ウンヌケ(イネ科ウンヌケ属)も東海丘陵要素植物に含まれるひとつです。
原野の日当たりのよい草地に生える多年草で、茎は束生し、太く、高さは80cmくらい、葉の長さ30cm、下部はさやとなって茎を包み、黄褐色の軟網を密生します。面白いのは葉が根元の方で反転し、裏が表になることです。
秋、葉より高い茎の頂に1方に傾き小穂をつけ、濃い黄褐色ののぎがあります。
変わった和名は、尾張地方の方言で牛の毛は転訛したものだそうです。

マメナシ:豆梨(豆粒大に立派な梨地)愛知県森林公園植物園の植物? 

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愛知県森林公園植物園で何本か見かけたマメナシ:豆梨(バラ科ナシ属)が、文字通り豆粒ほどの果実をつけていました。ナシの原種ともいわれ、高さは8〜10 mほどになる落葉高木で、イヌナシの別名があります。
花期は4月、五弁の白い花をつけます。果実は黄褐色で直径1 cm程、ナシ特有の小さな皮目、いわゆる梨地もようがあります。果実には渋みがあり、美味しいものではないそうです。
氷河期の遺存植物とされていて、海外では朝鮮半島・中国大陸などに分布し、隔離分布して愛知・岐阜・
三重県に見られるため、大陸要素の残存分布と考えられています。東海地方で460程の個体数が確認されているというめずらしいものです。

クロミノニシゴリ:黒実の錦織木(愛知県森林公園植物園の植物?)

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愛知県森林公園植物園のところどころにクロミノニシゴリ:黒実の錦織木(ハイノキ科ハイノキ属)が黒い実をつけていました。
本州東海地方、近畿地方の山地のやや湿ったところに生える落葉低木で、樹皮は灰褐色で縦に細かくわれます。全体に無毛で若い枝には白い粉が吹きます。別名のシロサワフタギはこのことからきているものと思われます。ちなみにニシゴリはサワフタギノの別名で、藍色の果実のサワフタギに対し、果実が黒いのでクロミノニシゴリとなったと思われます。
そんなことで、サワフタギとはごく近い関係ですが、区別は葉裏の毛の有無や果実の色で見分けることとあります。

コマツカサススキ:小松毬薄(愛知県森林公園植物園の植物?)

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愛知県森林公園植物園の湿地に生えていたコマツカサススキ:小松毬薄(カヤツリグサ科ホタルイ属)です。
日当たりのよい湿地に生える高さ0.8~1.2mの多年草で、マツカサススキのように、10~20個の小穂が球状に集まって花穂をつくりますが、マツカサススキより枝分かれが少なく、花穂の数も茎の先に数個、枝や葉のつけ根に1〜2個と少なくなります。
以前伊賀上野森林公園でみたマツカサススキ、ピンボケ写真のため没にしていましたが、コマツカサススキとの比較のために掲載します。
マツカサススキ

スズカアザミ:鈴鹿薊(愛知県森林公園植物園の植物 5)

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愛知県森林公園植物園に咲いていたスズカアザミ:鈴鹿薊(キク科アザミ属)です。
名のとおり東海地方に多く見られるアザミということですが、アザミには変化が多く地方によって異なる新種が生育するので、同定が難しいものの一つですが、これは園のガイドさんに教わったものなので確かなはずです。
静岡県から滋賀県東部の本州(近畿および東海道)に分布し、東海道地方にふつうにあるアザミで、花色は紫、頭花・腋花 頭花はやや穂状につき、無極または短梗がある。花時には直立または斜め上向きに咲くとありますが、これだけで見分けは至難の業です。

ホソバイラクサ:細葉刺草(鵜殿で絶滅危惧種)

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淀川右岸高槻市鵜殿でホソバイラクサ:細葉刺草(イラクサ科イラクサ属)が花をつけていました
もともとは山地の林のふちや谷沿いなどに生える多年草で、エゾイラクサに似ていますが、葉はさらに細長く、長さは6~12cm、幅は4cm以下、また葉のつけ根の節には托葉が4個(葉柄1個につき2個)あります。
葉は対生し、ふちに鋸歯が目立ち、茎や葉柄、葉に棘毛がたくさんつきます。
雌雄異株ときに雌雄同種で、8~ 9月、葉脇に薄黄色の花をつけます。
最近自生地・個体数が限られていて、大阪府カテゴリーで絶滅危惧?類に指定されています。

ヌカキビ:糠黍(糠の霞)

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淀川右岸鵜殿の葦原の切れ目一面にヌカキビ:糠黍(イネ科キビ属)が生えてました。
小さな穂を糠にたとえてこの名があります。
道端や林のふち、河原などやや湿ったところに生える多年草で高さは30〜120cm、葉の長さ5~30cm、幅5~12mmの線形でややざらつきます。
7~10月、茎の先に長さ15~30cmほどの大きな穂をだし、小穂の長さは2mmほどで、穂の軸から横にのびた枝にぶら下がって多数つきます。
群生しているヌカキビの穂が重なって黒っぽい霞のように見えます。その霞の向こうにイヌダデの赤い花がかすんで見えていました.

ベニバナマメアサガオ:紅花豆朝顔(ホシよりもマメに近い)

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淀川右岸鵜殿河川敷を歩くと外来の小型の朝顔があちこちに見られます。
多いのは、白い花のマメアサガオ(07年10月6日記事)、淡紅色で中心部が濃い紅色の花が数個固まって咲くホシアサガオ(07年10月7日記事)、です。
そのなかに、数はすくないですが、花全体が淡紅色なのがありました。ホシアサガオの変わり花かとも思いましたが、ホシアサガオのように数個固まって咲いているわけでもありません。
詳しい方にたずねると、本来白花であるマメアサガオの別種で、ベニバナマメアサガオ:紅花豆朝顔(ヒルガオ科サツマイモ属)ということがわかりました。いずれもおなじ北アメリカ産の外来種です。
花色からはホシアサガオに近いともおもいましたが、ホシアサガオの雄しべの葯が白いのに対しマメアサガオとベニバナマメアサガオの葯が同じ赤紫色であること、固まって花がつくのかどうか、果実の形などからホシアサガオよりマメアサガオにより近いと見たのでしょうか。

ツルマメ:蔓豆(枝豆の先祖?)

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淀川右岸鵜殿の河川敷に群生しているツルマメが豆果となっていました。
ツルマメ:蔓豆(マメ科ダイズ属)は、別名ノマメともいわれ、日当たりのよい野原や道端などに生えるつる性の1年草です。学名のsojaは「醤油の」という意味だそうで、ダイズの英語soybean(醤油豆)とも関係がありそうです。
8〜9月、葉の付け根に紅紫色の小さな蝶形花を3〜4個つけます(07年8月28日記事)
豆果は長さ2~3cmで、大豆はこのツルマメを改良したのではないかといわれています。
莢の全面にうぶ毛が生えているツルマメの豆果を見ていると小ぶりの枝豆そっくりで、大豆の先祖説も納得できます。

ヤブマメ:藪豆(毛は継ぎ目にだけ)

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9〜10月ごろ、他物に巻きついた蔓の小葉のつけ根に、旗弁は紫色で翼弁と白い竜骨弁の長さ約2cmの蝶形花をつけていたヤブマメ:藪豆(マメ科ヤブマメ属)(06年9月25日記事)が、豆果になっています。
豆果は長さ2〜3cmで普通3〜5個の種子が入ります。ヤブマメの鞘は縫合線に沿ってのみ伏毛があるのが特徴です。昨日のツルマメもそうでしたが、花が終わった後は葉の形のほかに、この豆果の形も区別点になります。ヤブマメの種子は扁平で、うずら豆のような黒い斑点があり食べられます。
ヤブマメで珍しいのは、秋、根元からつるをのばして花弁のない閉鎖花をつけることです。閉鎖花は土にもぐって結実しますが、豆果は小さくて丸くてふくらみ、種子は1個しか入っていません。

ヘデラ:西洋木蔦(当たり前だが花も咲く)

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常緑で光沢のある大型の葉はで、耐寒性など環境適応力が広くて栽培に手間がかからないため地被植物としてひろく利用されているヘデラ(ウコギ科キヅタ属)は、アイヴィー呼ばれることもあるヨーロッパ、北アフリカ、西アジア原産で、500種もあるという仲間の総称です。
日本でもいろいろな品種が栽培されていて、どこででも見慣れているヘデラですが、花(蕾)を見たのは初めてでした。よくみると、白い蕾がボール状に集まった散形花序になっていて、中ほどに雌花らしい色の違う蕾があります。なんとなく簪状に白い花をつけるヤツデに似ているのではないかと気づきました。
調べてみるとやはりヘデラもヤツデも同じウコギ科で、この似通った花の付き方にも納得しました。

メリケンムグラ(名に似ぬ純白の花)

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秋色が漂う淀川河川敷にへばりついたような半枯れのメリケンムグラ(アカネ科オオフタバムグラ属)に、一つだけ白い花がついていました。
北米原産でアジアの温帯に帰化している1年生草本で、河原や、田圃の畦道などやや湿り気のある場所に生育します。対生する葉は広線形で濃い緑色。茎は四角形で稜に毛があり、基部で四方にひろがってマット状を呈します。夏、葉脇に白色の筒形花をつけ、花の先端が4つに分かれ、花弁には微毛があります。一日花だそうで、この日見た花は今年最後の花かもしれません。

フトボメリケンカルカヤ:太穂メリケン刈萱(目下拡大中)

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淀川右岸河口付近の河川敷一面に、秋というのに濃い緑のイネ科の植物が群生していました。
そばに、もう枯色になって穂をつけているおなじみのメリケンカルカヤがあります(06年11月2日記事参照)。観察した仲間の中でも、両者はよく似た姿なので、緑色で大きいのは、同じメリケンカルカヤが、栄養の違いかなにかでたまたまよく育ったものではないかとの意見もでていました。
しかし、後日あれは新手の外来植物で、フトボメリケンカルカヤ:太穂メリケン刈萱(イネ科ウシクサ属)でという報告がありました。
北アメリカ原産の多年生草本で、一見メリケンカルカヤの草丈を大きくし、花序を太くした形で、花序の枝には2~5個の小穂を5~12対つけます。
冬期は地上部は枯死しますが、一部は残存します。
1997年神戸市で、そのご尼崎市、大阪市などの沿岸部の造成地、河川敷などを中心に分布拡大の気運にある比較的新しい外来植物です。

シコクママコナ:四国飯子菜(喉が黄色い)

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高野山麓極楽橋から不動坂を上り、女人堂近くになったあたりに咲いていたのがシコクママコナ:四国飯子菜(ゴマノハグサ科ママコナ属)です。
ママコナの仲間は半寄生植物の1年草で、紅紫色の花冠は筒状で先は唇形となり、下唇は浅く3裂して内面に黄白の2条の隆起があるので、これを米粒に見立てて飯子菜の名があるといわれますが、別に未熟な種子が米粒に似ているからという説もあります。
“むかご”ではいままでママコナ(10年10月19日記事)、ミヤマママコナ(12年10月6日記事)などを取り上げています。
ママコナの区別は花の付け根の苞の鋸歯の有無、花冠の色、花冠内部の黄色の斑点の有無などでされますが、写真のは下唇弁の色が白っぽく、弁の奥に黄色い斑点が広がっていること、分布地の共通性などからシコクママコナと判断しました。

マルバノ)ヤマホロシ:丸葉の)山保呂之(山では珍しくなった)

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きのうの記事と同じ高野山女人堂近くで見た今では珍しくなっているヤマホロシ:山保呂之(ナス科ナス属)です。
本州・四国。九州の丘陵から山地の林縁や野原に生えるつる性の多年草で、よく見かけるヒヨドリジョウゴに近い仲間ですが茎にヒヨドリジョウゴのような毛はありません。
7〜10月、節間の中途に花序をつくり、淡紫色花を下向きに開きます。花冠は深く5裂し、裂片は反り返ります。
果実は直径6〜8mmの球形で赤く熟します。
図鑑では、葉の基部が円形またはやや心臓形、へりが全縁かときに鈍く1~2対に切れ込み、薄い毛があるのがヤマホロシ、葉茎ともに無毛で、葉の基部が柄に向かってとがり全縁なのがマルバノヤマホロシとあります。葉の形から見るとマルバノヤマホロシに近いとも思われますが自信がありません。
和名のホロシは赤い果実を皮膚にできる局限性紅斑(ほろし)に見立てたものといいます。
園芸店ではこの仲間がヤマホロシや学名であるソラナムまたはツルハナナスの名でいろいろな園芸品種が売られていますが、野生のヤマホロシではない事が多いようです。

ヤマシグレ:山時雨?(時雨ではなかった?)

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高野山女人堂近くで見た、これも今では珍しくなっているヤマシグレ:山時雨?(スイカズラ科ガマズミ属)です。
本州福島県以南、四国、九州の山地~亜高山の林床や林縁にはえる落葉低木で高さは2mほどになります。
対生する葉は長さ5~12cm、幅3〜6cmの長楕円状披針形~卵形で、枝先に集まってつく傾向があります。
6~7月、枝先に散房状花序をだし直径2〜3cmの白色~淡紅色、ときに暗紅色の筒状花をつけます。果実は核果で、長さ7~8mmの広楕円形で、はじめは赤くのちに黒く熟します。
マルバミヤマシグレと呼ぶこともあり、背丈が1mほどのをミヤマシグレとすることもありますが、両者の区別は背丈のほかは難しいようです。
高野山で見たヤマシグレは葉が虫食いで果実も一つだけと、少々さえない感じで、シグレというはかなげな語感にピッタリだと思ったりしましたが、あとで調べるとシグレは時雨ではなく、京都地方のことばでガマズミのことをシブレといっているのが訛ったのだとありました。

オオカラスウリ:大烏瓜(大きいわけではないカラスウリ) 

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高野山不動坂で見かけたカラスウリの仲間です。
崖下の遠いところにあった高木にからみついていたので確かめようがなかったのですが、葉の切れ込み具合などからオオカラスウリ:大烏瓜(ウリ科カラスウリ属)と見立てました。
暖地に生えるつる性の多年草で雌雄異株、葉は心形または腎心形で、掌状に5〜7裂し、表面には密に短剛毛があります。
縁がレース状に細裂する花は、ほかのカラスウリの仲間と同様ですが、花が昼も開いていること、花柄に大きな苞葉がありふちがふさ状に裂け、萼裂片に鋸歯があるのが特徴といいます。
液果は楕円形〜球形で長さ5〜8cm、朱赤色となります。
初めてなのに遠くからしか見ることができなかったのが残念でした。

ハヤトウリ:隼人瓜(種はひとつ)

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奥茨木の農家の背戸にハヤトウリ:隼人瓜(ウリ科ハヤトウリ属)が実をつけていました。
もともとはメキシコ原産でマヤ・アステカの時代から栽培されて食用にされ、熱帯地域では広く栽培されて食用にされた古い歴史を持つ野菜だそうです。
和名のハヤトウリは大正時代にアメリカを経由して鹿児島県で試作されたことから古代日本にこの地に居住した薩摩隼人の名に由来するといいます。
たくさんつく洋ナシ形の果実の中には大きい種子が一つだけはいっており、発芽まで果肉と種子が分離せず、栽培には実のまま土に埋めます。一株で数百個も実がなるのでセンナリウリの別名もあります。
日本では粕漬けなどの漬物することが多いですが、生のまま塩もみをしてサラダにしたり、炒めてキンピラ風にしても美味しいことなどは昨夜の読売新聞にありました。

タコノアシ:蛸之足(花より果実で知られる)

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準絶滅危惧(NT)のタコノアシ::蛸之足(ベンケイソウ科タコノアシ属)が生えているというので、淀川右岸鵜殿の葭原へ見に行ってきました。
湿地や沼、休耕田などに生える多年草で、小さな花がびっしり斜めにひろがり、秋には全体が赤く染まり、特に果実が茹でたタコの足の吸盤のように見えるのでこの名があります。
高さは30〜80cm、葉は互生し長さ3 ~10cmの狭披針形で縁には細かい鋸歯があります。
花期は8~9月、花は直径約5mmで花弁がありません。花のつく枝ははじめ渦巻き状になっていますが次第にほぐれ斜めに開きます。
多肉ではないのにベンケイソウ科と聞いて少し意外でしたが、調べてみると、かつてはユキノシタ科であったのが、花の形態などからいまではベンケイソウ科に入れることが多くなっているといいます。
数が少ない割には変わった名前でよく知られていますが、サワシオンというきれいな別名もあるそうです。

ヒオウギ:檜扇(枕詞になった?漆黒の種子) 

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ヒオウギ:檜扇(アヤメ科ヒオウギ属)の果皮が裂けて黒光りする実が顔を出しています。
別名、烏扇、射干ともいわれ、本州以南、中国、インド北部の山地にも自生する多年草ですが、観賞用として庭でも栽培されています。
草丈60cm〜1mで、広剣状の葉は粉白緑色で2列に互生し、下半分は昔貴婦人が使った檜の扇に似ていることからこの名があります。
真夏に咲く黄赤色地に暗紅色斑点がある花は(08年8月17日記事)、縁起がよいのか、京、大阪では夏祭りの花として欠かせません。
秋に実る倒卵形の朔果の中に、直径5mmほどの真っ黒い球形の種子ができます。これを昔からウバタマ、ヌバタマ(射干玉)といい、黒い、暗いという意味で髪や、夜の枕詞になっています。
萬葉集で“ぬばたま”を詠った歌は79首の多きに上りますが、ヒオウギそのものを詠ったものはなく、すべて枕詞や比喩的に用いられています。もしかしたら、ヌバタマの語でいまのヒオウギを意味することになったのは万葉時代以後のことかもしれません。
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