戸隠神社奥社への参道にショウキラン:鍾馗蘭(ラン科シュキラン属)が咲いていました。
深山の林内などに生える葉緑素を持たない腐生植物で、茎は直立し高さ10~30cm、乳白色でやや淡紅色を帯びます。葉は退化して鱗片状になり、茎頂に数個の直径約3cmの淡紅色の花をつけます。
和名は上と左右に開いた花弁が魔よけの神様、鍾馗さんの帽子にしているところからきています。
その鍾馗さんとは、唐の玄宗の夢に出て、魔を祓い病を治したという故事から、疫気を退け魔を除くという神様となっています。巨眼、多髯、里冠をつけ、長靴を履き、右手に剣を執り、小鬼をつかむその姿は、5月人形にも取り入れられ、京町家の屋根に飾られたりしておなじみです。
ところも戸隠奥社への参道わきで出会ったこの珍しいショウキランは、鍾馗さんの魔よけ伝説もあって、今回の旅の中でも強い印象を残して忘れられない花となりました。